ワイヤーハーネスとは?
what is
wire harness
一般的に“ワイヤーハーネス”と表現されるのは、自動車に組み込まれている組み配線の事で、複数の電線を回路ごとに分岐させて、末端にコネクタを取り付けたものの総称です。いわゆる電装品という部品となります。
広義でのワイヤーハーネスは、自動車を含めて機械装置の信号系、電源系の電気回路の伝達を担う重要な電気部品です。人間に例えるなら、活動するためのエネルギーを体全体に送る血管の役割が動力回路で、体をどのように動かすかの脳の指令を伝える神経の役割が信号回路です。
電気で動作するすべての装置において、ワイヤーハーネスは非常に重要な部品となります。ワイヤーハーネスの品質如何により、装置の性能、および正確性、耐久性が左右されます。勿論、電気信号が切断されれば、装置自体が機能しませんので、非常に安定した品質を問われる電気部品です。
では、どのような装置にワイヤーハーネスが使用されているかといいますと、非常に多岐にわたります。自動車、家電、ロボット、工作機械、産業機械、医療器機、遊興機器、インフラ設備など現代社会において、欠くことができないものばかりで、電動化が進む今日、ワイヤーハーネスの重要性は益々高まっております。
ワイヤーハーネスを構成する材料
エレクトロニクスの根幹となるワイヤーハーネスを構成する材料は、基本として電線・ケーブル、圧着端子、コネクタの3つ材料カテゴリとなります。ただ、使用する機器により、そこから付加される構成材料がかわってきます。結束バンド、チューブ、電線管、フェライトコアなど、機器を使用する環境に対応するように付加材料を使用してアセンブリします。
これらの材料群が、可動や振動による摩耗の低減、耐火や耐油、耐ノイズ、耐候など環境耐性といった物理的な機能を満たすため、またコスト低減のために、各メーカーが多品種で材料を供給しております。
ワイヤーハーネスは労働集約型の産業
電線だけでも規格、色、サイズを選定し、それに対応した端子やコネクタを使用してアセンブリしなければなりません。また、製造においても人の手による調整を必要とする工程が多くあります。そのため、単一の量産ワイヤーハーネス以外は、自動化が確立できない状態です。ロボット化が進んでいる現代でも、作業者を教育し、技量を高めて製造するという労働集約型の産業となります。自動車や民生機器などのワイヤーハーネスは、大量生産のため人件費の安価な海外工場で製造されています。しかしながら、多品種少量で特殊なハーネスに関しては、国内製造しているというケースがほとんどです。
ワイヤーハーネスの進化
現代社会において電気のない生活というものがなりたたなくなっております。また、あらゆるモノ・サービスがインターネットでつながっていき、それにともない電動化も加速しております。電動化によって、電磁波の遮断、耐高熱、軽量化、コストなど解決しなければならない課題も多くあります。省電力、環境問題にも対応しなければなりません。また、現状ワイヤーハーネスは、労働集約型の産業となりますので、人手不足が深刻化する中で、いかに機械化・ロボット化を進めていくかが喫緊の課題となっております。